FC2ブログ

誰もがやさしく微笑みあえる、その日まで

東日本大震災で被災された方々、心を痛めた方々に送ります。

大地の芸術祭 in 越後妻有(その18) 〜最後の教室〜


 今回は、「大地の芸術祭 in 越後妻有(その18) 〜最後の教室〜」です。

 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。詳細は、芸術祭のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.echigo-tsumari.jp/about/overview/


 私は、8月中旬に大地の芸術祭を見に行きました。
 今回は、「最後の教室」を紹介します。
 舞台は、閉校になった小学校の校舎。5ヵ月もの間深い雪に閉ざされる地域にある。教室の記憶を建物の中に密度濃く、重く閉じ込めた作品です。
 http://www.echigo-tsumari.jp/artwork/the_last_class
 


 作品Y052「最後の教室」、作者「クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン」
 東川小学校は明治8年(1876年)開校。
 全盛期の昭和10〜30年代には、400人が通学。
 平成8年(1996年)、生徒が11人まで減り、閉校。
 小学校のある上布川地区では、20年前まで小学校の校庭を使って花見や盆踊りが行われていた。
 この学校は、地区の中心だった存在。
 この地区に、賑やかさを、明るさを、未来に対する期待をもたらしていた存在。



 ムッと熱気がこもった体育館。
 薄暗い中、電灯が浮かぶ。
 壁面には、ざらついた光の粒たち。
 放送終了後のテレビの砂嵐のように、カサコソカサコソチラツク。
 稲わらが敷き詰められた床。
 目を閉じて、思い浮かべる。
 昭和初期、狭い教室に、大勢の子供が、ワイワイガヤガヤ無邪気にはしゃぐ情景。



 理科室。
 ひんやりとした暗室。
 飾り気のない、長方形の机が浮かぶ。
 横には、蛇口と排水溝。
 決められた手順通り実験を行う空間。
 論理に支配された空間。
 理科室には静けさが似合う。



 この作品では、ぶら下げるタイプの裸電球が照明として多く使われている。
 このタイプの電球は、昭和初期を思い起こさせる。
 この地方は、長い冬の間、空は分厚い雪雲に覆われ、雪に閉ざされる。
 昭和初期、この弱々しい裸電球が暮らしに明るさを与えてくれたのだろう。
 




 この作品から思い浮かぶのは、雪灯り。

 部活動が終わった学校帰り。
 吹雪がやみ、雲一つない夜空。
 辺り一面銀世界。
 満月の夜、私の歩みにピッタリ寄り添う自分の影。
 ザクザク凍った雪を踏み歩く。
 私の家は、雪灯りに照らされたあの林の向こう。
 ピンと張り詰めた冷気の中、家路を急ぐ。
 今日は鍋、温かい夕飯が待っている。
 家族と過ごす、あったかい時間が待っている。 





 以上、「大地の芸術祭 in 越後妻有(その18) 〜最後の教室〜」でした。





スポンサーサイト



テーマ:災害ボランティア - ジャンル:福祉・ボランティア

大地の芸術祭 in 越後妻有(その17) 〜家の記憶〜


 今回は、「大地の芸術祭 in 越後妻有(その17) 〜家の記憶〜」です。

 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。詳細は、芸術祭のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.echigo-tsumari.jp/about/overview/


 私は、8月中旬に大地の芸術祭を見に行きました。
 今回は、「家の記憶」を紹介します。
 黒い毛糸を空家の1階から天井裏まで縦横無尽に張り巡らせた作品です。
 http://www.echigo-tsumari.jp/artwork/house_memory

 



 作品Y072「家の記憶」、作者「塩田千春」
 小さな古民家。
 玄関に入り、ハッとした。
 空間を埋める、無数の黒い糸。
 全て、ピンと張られている。
 あやとりを思わせる、糸同士の結びつき。
 呪術的な匂いがする。



 光と影。
 白と黒。
 くっきりとしたコントラスト。
 二値的な世界。



 ドミノ倒しとの類似性。
 一つの牌を倒すことで、全てを倒せる。
 一本の糸を切ることで、全ての結び目をほどける。
 危ういバランスの上で成り立っている感覚。
 それが緊張感の源になっている気がする。



 作者は二週間でこの作品を作り上げたという。
 ひたすら無心で糸を張り続けた姿が想像される。
 もし創作活動中の様子を見ることができたら、「祈っている」ように見えただろう。




 古民家に残された本。
 読んだことがある本が数冊。
 それ以外は、見たことも聞いたこともない本。
 時間の流れを感じる。 
 糸をたどると、家の記憶につながる。





 以上、「大地の芸術祭 in 越後妻有(その17) 〜家の記憶〜」でした。





テーマ:災害ボランティア - ジャンル:福祉・ボランティア

大地の芸術祭 in 越後妻有(その16) 〜津南エリア〜


 今回は、「大地の芸術祭 in 越後妻有(その16) 〜津南エリア〜」です。

 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。詳細は、芸術祭のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.echigo-tsumari.jp/about/overview/


 私は、8月中旬に大地の芸術祭を見に行きました。
 今回は、津南エリアの作品を紹介します。
 津南エリアは、新潟県の南端、長野県の県境に位置しています。
 http://www.echigo-tsumari.jp/area/tsunan/
 

 
 作品M028「国境を越えて・山」、作者「林舜龍」
 極彩色のタイル絵が描かれた、台湾の陶俑による門。
 金の子牛と、黒の親牛。
 門をはさんで、向き合う。
 緊張感のある構図。



 作品M026「時を超える旅」、作者「管懐賓」
 上野集落、アジアインフォメーションセンターのそばにある作品。 
 どこら辺が時を超えているか、よくわからなかった。
 投げやりな意味ではなく、まあ、意味なんか分からなくてもいいや、と思えた。
 こういう作品こそ、作者に話を聞いてみたい。



 作品M024「0121-1110=109071」、作者「李在孝」
 マウンテンパーク津南の中にある作品。
 丸太を組み合わせてできた球体。
 作品名が気になる。
 何かの暗号? 
 多分、意味を聞けば、なあんだ、とがっかりしそうな気がする。
 意味を知らない方が興味を持てそうな気がする。




 作品M002「カモシカの家族」、作者「ゲオルギー・チャプカノフ」
 子供と両親が作り出す、親密な空間。
 「聖家族」を感じさせる。
 家族の温かみを感じる。
 作者が描く、理想の家族像が見える。
 こういう作品は見て良かった、と感じる。



 作品M001「ドラゴン現代美術館」、作者「蔡國強」
 中国の登り窯を移築した作品。
 森の中で生きる龍。
 全長約50m。
 龍の背に沿って、花が植えられている。
 蔡さんの作品には、なんじゃこりゃ、と思わせる何かがある。





 以上、「大地の芸術祭 in 越後妻有(その16) 〜津南エリア〜」でした。





テーマ:災害ボランティア - ジャンル:福祉・ボランティア

大地の芸術祭 in 越後妻有(その15) 〜旧上郷中学校〜


 今回は、「大地の芸術祭 in 越後妻有(その15) 〜旧上郷中学校〜」です。

 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。詳細は、芸術祭のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.echigo-tsumari.jp/about/overview/


 私は、8月中旬に大地の芸術祭を見に行きました。
 今回は、「旧上郷中学校」の作品を紹介します。
 2012年に閉校した上郷中学校が、パフォーミングアーツの拠点として再出発しています。
 http://www.echigo-tsumari.jp/artwork/Echigo-Tsumari_Kamigo_Clove_Theatre
 

 

 閉校記念の石碑。
 新しさが際立つ。
 「しら雪」、「信濃川」、「断崖」、「渦波」。
 上郷中学校と切っても切れない言葉たち。 




 作品M053「題未定」、作者「パオラ・ピヴィ」 
 まだまだ現役に見える校舎。
 本当に廃校?と思ってしまう。
 カラフルで巨大なはしご。
 新しいものを生み出そうとする意欲を感じる。




 作品M054「時の殻」、作者「滝沢達史」
 上郷中学校64年間の思い出を保存する部屋。
 図書や教材、トロフィー。
 学校の近くの山から集めた木々、地域で育てた米の籾殻で作ったクッション。
 時間を閉じ込めておく空間。 




 学校の裏側。
 信濃川。
 川が大きく蛇行するところ。
 上郷中学校と切り離せない風景。




 作品M057「上郷グローブ座 看板ロゴタイプ」、作者「浅葉克己」
 学校が表現の場として生まれ変わる。
 この地域がどう変わっていくか、とても興味がある。
 子供のいない地域の行き着く先は?
 地域に残った高齢の方々だけでコミュニティは維持できる?
 明るい未来を描くことができる?
 5年後、10年後、20年後、その時の姿を見てみたい。





 以上、「大地の芸術祭 in 越後妻有(その15) 〜旧上郷中学校〜」でした。





テーマ:災害ボランティア - ジャンル:福祉・ボランティア

大地の芸術祭 in 越後妻有(その14) 〜ポチョムキン〜


 今回は、「大地の芸術祭 in 越後妻有(その14) 〜ポチョムキン〜」です。

 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。詳細は、芸術祭のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.echigo-tsumari.jp/about/overview/


 私は、8月中旬に大地の芸術祭を見に行きました。
 今回は、「ポチョムキン」を紹介します。
 「ポチョムキン」は、巨大なコールテン鋼の壁が連なった公園です。
 釜川の土手にあります。
 禅庭、ブランコ、遊具、東屋、木のベンチが展示されています。
 http://www.echigo-tsumari.jp/artwork/potemkin
 



 作品N019「ポチョムキン」、作者「カサグランデ&リンターラ建築事務所」
 POTEMKIN(ポチョムキン)
 作品案内によると、「作家は、鉄という、重工業や人間の技術を象徴する要素をつかって、自然と人間が落ち合う場所、環境について思いをはせるような空間をつくりだした」とのこと。
 


 ポチョムキンと言えば、戦艦を思い浮かべる。
 wikiには、「1905年、ロシア第一革命の時期に水兵による叛乱が起こった戦艦」とある。
 細長い形は、戦艦を思わせる。
 川の土手沿いに、白い石が敷き詰められ、力強く根を張った木が生え、鋼鉄の壁に覆われる。



 赤黒く錆びついた鋼材のザラツキ。
 白くピカピカした玉砂利のなめらかさ。
 濃い緑の葉のみずみずしさ。
 強いコントラストで、それぞれが引き立つ。



 昔からよく川沿いを走った。
 川のせせらぎを聴きながら走った。
 疲れたら、ストレッチをしながら、行く川の流れを眺めた。
 こんな公園だったら、ジョギングの休憩場所にしたいな、と思った。




 ブランコもある。
 木陰もある。
 椅子もある。
 周りの風景をゆっくり楽しめる。
 遠くの山なみ、稲穂が揺れる水田、サラサラ流れる川が見える。
 「自然と人間が落ち合う場所」になっている。  





 以上、「大地の芸術祭 in 越後妻有(その14) 〜ポチョムキン〜」でした。





テーマ:災害ボランティア - ジャンル:福祉・ボランティア

次のページ