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誰もがやさしく微笑みあえる、その日まで

東日本大震災で被災された方々、心を痛めた方々に送ります。

『ネットを支えるオープンソース ソフトウェアの進化』読書メモ(その1)


 今回は「『ネットを支えるオープンソース ソフトウェアの進化』読書メモ(その1)」です。
 
 最近、ネット上でコミュニティを作ることについて調べる機会があったので、読書メモとして残します。



◆『ネットを支えるオープンソース ソフトウェアの進化』 監修:まつもと ゆきひろ (角川学芸出版)

・概要
 インターネットを支える膨大なソフトウェア群。利用者の視点では見えにくい開発現場の思想を、世界的プログラマーのまつもとゆきひろ様が、「オープンソース」をキーワードにやさしく解説する。
 ※詳細は、下記のリンク参照
  →https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g321307000122/



・参考になった点、面白かった点と引用
 以下では、オープンソースソフトウェアについて紹介する。



 まだまだ私はプログラミング初心者。
 それでも、すっきりしていて、理解しやすいソースコードは、読んでいて気持ちがいい。
 まるで、いちいち考えなくてもスーッと入ってきて、スイスイ読み進められる小説みたい。
 p42の引用
『他人のソースコードを読む
  →ソースコードには数学や建築物が美しいというときと同じ美しさや、流れるような美しい文書というときと似た美しさが宿ることがある。
  →ソースコードを書くというのは自己表現でもある
  →ソースコードは読み物でもある
  →ソースコードを読むことによるノウハウの伝達や教育効果は大きい。だから、プログラマー同士でソースコードを共有することは重要だ』



 実装重視。
 まずは手を動かしてコードを書こう。
 できる人は仕事が速い。
 効率的に仕事をしよう。
 私もそうなりたい、と強く思う。
 p46の引用
『実装を尊重するインターネット文化
  →インターネットの文化では、実際に動くものを重視する実用主義が徹底されている。 
  →インターネットの世界では、まずラフ合意を形成したら、すぐに動く実装を作ってしまう』



 OSSの開発モデルはすごい。
 従来の開発方式と全く異なる。
 トヨタ生産方式の「リーン」に近いインパクト。
 p84の引用
『OSS(Open Source Software)開発モデル普及の要因
  →ひとつは、無償で利用できること
  →インターネットにより、ソフトウェアの流通基盤が確立されたこと
  →インターネットにより、誰でもソフトウェアの開発に参加できるようになったこと』


 
 ソフトウェアを作ることができる人には無限の可能性が与えられる。
 ITの進化により社会が変化する現代においては、益々その影響力が大きくなる。
 早くまともなプログラムを書けるようになりたい・・・。
 p93の引用
『プログラムを作る人が持つ無限の可能性
  →コンピューターにはこれまで誰も思いつかなかった新しいことを指示できる可能性が無限にあり、「作る人」はそれを現実のものとできる手段を持っている』



 教育の目的によって、教育コンテンツも変わる。
 世の中に出回っているプログラミング教材を見てみようっと。 
 p119の引用
『プログラミング教育の目的
  →計算機科学を学ぶため
  →ICT人材育成のため
  →科学と数学のため
  →表現手段を持つため』


  
 Scratchは以前紹介したとおり、コードを書かずに、ブロックを組み合わせてプログラムを作れるビジュアル言語。
 改めて見直すと、ビジュアル言語には歴史的背景があって、子供たちが作ったものを共有・改変できる仕組みもしっかり考えられた結果であることが分かる。
 p138の引用
『MITメディア・ラボのミッチェル・レズニックがビジュアルプログラミング環境Scratchを開発
  →クリエーティブラーニングスパイラル「想像、作成、遊び、共有、反映」を通じて学ぶ』
 




 以上、「『ネットを支えるオープンソース ソフトウェアの進化』読書メモ(その1)」でした。


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『ネットコミュニティの設計と力』読書メモ(その2)


 今回は「『ネットコミュニティの設計と力』読書メモ(その2)」です。
 
 最近、ネット上でコミュニティを作ることについて調べる機会があったので、読書メモとして残します。



◆『ネットコミュニティの設計と力』 監修:近藤淳也 (角川学芸出版)

・概要
 Web2.0以降、ソーシャル・ネットワーキング・サービスなどの普及で、オンラインでの人々のつながりは、重要性を増してきている。よりよいネット・コミュニティはどのようにつくられるべきかを解き明かす。
 ※詳細は、下記のリンク参照
  →https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g321307000125/



・参考になった点、面白かった点と引用
 以下では、ネットコミュニティの作り方について紹介します。


 
 ネットコミュニティを多く立ち上げた経験がある古川健介様の文章は特に面白かったです。
 理由その1は、考えがしっかり整理されていて読みやすかったため。 
 p98の引用
『ネットコミュニティの3つのパターン
  →ユーザー同士のコミュニケーションが中心のサービス
  →ユーザーの中にスターがおり、その周辺でコミュニケーションするサービス
  →コンテンツが中心にあり、その周りでコミュニケーションするサービス』



 理由その2は、流行するコミュニティについて丁寧に分析されていたため。
 フェーズごとに打ち手が変わる話は、特に納得できました。
 p100の引用
『はやるコミュニティの仕組み
  →前提として、コミュニティはユーザーが作るものであり、運営者がコントロールできる箇所は少ない
  →「設計期間」、「立ち上げ期間」、「拡大期間」と3つのフェーズがあり、それぞれで必要なものは異なる』


 
 何事も生まれる瞬間は、とても大事。
 初めに決めたことは、後で変えるのはとても大変。
 会社もそう。
 ネットコミュニティもそう。
 p102の引用
『設計期間フェーズ
  →ルールや方針はサービスを開始する前に決めておく必要がある
  →ユーザーのモチベーションをどこで満たすか?
  →書き込まれる内容の自由度をどう設定するか?
  →どのような書き込みがベストか?
  →最初に作りこみ過ぎない』



 フェーズごとに、何が課題なのかよく考えなくてはいけない。
 人が集まらないなら、何をしなくてはいけないのか。
 鶏が先か、卵が先か。
 物事には順番がある。
 p109の引用
『立ち上げ期間フェーズ
  →最初に優先するべきは「書き手」ユーザー
  →読み手がいなくても投稿したくなる仕組みが必要』




 ユーザーが体験したいことは何で、嫌なことは何か。
 ユーザーの気持ちになって、コミュニティの場づくりに努めること。
 仕組みを変えることで、雰囲気を変えられることがあるはず。
 p117の引用
『拡大期間フェーズ
  →自動的にユーザーが増加する仕組みを作る
  →ランキングや検索機能を使って、「読み手」重視に方針転換
  →「書き手」はリフレッシュ
  →ダメな投稿を減らす』



 コミュニティに参加するのは人間。
 どんなシステムやルールを設計しても、コミュニケーションの中心になるのは人間。
 本当に理解しなくてはいけないのは感情を持った人間。
 p123の引用
『人間の形を映すコミュニケーションの形  
  →緻密な設計より運営者の大きな熱量の方がコミュニティを盛り上げるケースがある
  →ネットコミュニティを新しく作りたい、と思うのであれば、人間理解が必要』


 
 運営者は思いやりを持つこと。
 本当に心底そう思っていればユーザーに伝わるはず。
 よこしまな考えは、いらない。
 p204の引用
『運営者の思いが成功につながるという事実
  →「人のために何かをしてあげたい」という純粋な動機で開発したコミュニティが成長』



 先日、はてなの会長を退任された近藤様の言葉。
 この本の中で、一番響いた言葉。
 しっかり覚えておく価値があると思った言葉。
 p208の引用
『ビジョンの提示、支持するフォロワー
  →ビジョンとは、「この人について行くと面白そう」と人に思わせられる力
  →フォロワーが行動を起こす理由は、できれば面白い体験をしたいという気持ちや、どんな未来なのか見てみたいという好奇心
  →「人のために役に立ちたい」という純粋な気持ちで始めたサービスがヒットしやすいのは、「こんな未来を作りたい」という動機が利用者にも伝わり、「そういうことならついて行こう」「どんな未来になるか見てみたい」というフォロワーが生まれるから』





 以上、「『ネットコミュニティの設計と力』読書メモ(その2)」でした。


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『ネットコミュニティの設計と力』読書メモ(その1)


 今回は「『ネットコミュニティの設計と力』読書メモ(その1)」です。
 
 最近、ネット上でコミュニティを作ることについて調べる機会があったので、読書メモとして残します。



◆『ネットコミュニティの設計と力』 監修:近藤淳也 (角川学芸出版)

・概要
 Web2.0以降、ソーシャル・ネットワーキング・サービスなどの普及で、オンラインでの人々のつながりは、重要性を増してきている。よりよいネット・コミュニティはどのようにつくられるべきかを解き明かす。
 ※詳細は、下記のリンク参照
  →https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g321307000125/



・参考になった点、面白かった点と引用
 以下では、ネットコミュニティの作り方について紹介します。

 

 この本の大部分は、実際にネットコミュニティを立ち上げ、運営されている方々が書かれています。
 長年 「はてな」を経営され、昨年会長職を退任された近藤様の経験に基づいた文章は面白かったです。
 p13の引用
『支持されるコミュニティはどのように生まれるか
 →機能、インターフェース、雰囲気作り、コンテンツ、タイミング、技術力、マーケティング力、ビジネス力など』



 ネットコミュニティを設計するうえで、匿名性と実名性はとても重要です。
 どちらを選択するかで、全くコミュニティの性質が変わります。
 p18の引用
『SNSにおける匿名性と実名性
  →匿名性:インターネットで個人情報を公開することは危険
  →実名性:リアル社会の人たちが使い出して、SNSがリアル社会接続型に拡大』



 インターネットは社会に大きな変化をもたらしました。
 その中でも、SNSに代表されるネットコミュニティは、人々のコミュニケーション方法を大きく変えました。
 p22の引用
『コミュニティに必要な「場所性」
  →コミュニティが成立するためには、場所が必要
  →インターネットは「場所」を提供できたため、はじめてリアル社会を離れて大規模なコミュニティを提供できた』

 

 この本では、「2ちゃんねる」の例が何か所か出てきました。
 「2ちゃんねる」の独特な文化が、運営者のコミュニティ設計から生み出されていることが書かれています。
 p40の引用
『2ちゃんねるの(アンチ)ソーシャル性
  →ネットコミュニティの管理者は、「常連」を適切に遇しながら、新規参加者にとって居心地が良い状態を作る必要あり
  →2ちゃんねるでは、投稿者はデフォルトで一律「名無しさん」として匿名化されており、馴れ合いが歓迎されていないため参加者の流動性が確保されている』



 ネットコミュニティは、運営者の思惑とは違った形に変容することがあります。
 コミュニティの主体は、あくまでもユーザー。
 ユーザーが求めるものにしっかり応えることで、ネットコミュニティは成立します。
 p46の引用
『2002年にサービスを開始したフレンドスターは、元々は出会い系サイトだったが、実際の友人たちと交流するためのサービスとして成功
 コミュニティサービスは、元々つながりがある人達と交流したいという欲求と、新しい人々に出会いたいという欲求のせめぎあいによって成立』



 フェイスブックの強さの源泉は、創業時からの実名主義にあります。
 世間の常識を疑って、逆張りで行くと面白いことが生まれる。
 そんな教訓がある気がします。
 p55の引用
『ソーシャルグラフとウェブの覇権
  →「ソーシャルグラフ」とは、インターネットにおけるユーザー同士の人と人とのつながりや相関関係のこと
  →フェイスブックは質が高い「ソーシャルグラフ」を獲得したが、その理由の一つは実名主義』



 データには価値がある。
 データを囲い込むことで強さが生まれる。
 フェイスブックは"オープン"を標榜しています。
 でも、全てをオープンにすれば素晴らしい世界が待っている、という単純な戦略でもなさそうです。
 p56の引用
『「検索」から「ソーシャル」へのパラダイムシフト
  →フェイスブックが囲い込むコンテンツの多くに検索エンジンの手が及ばない
  →ネット生活全般において検索エンジンやポータルを起点とせず、SNS上で完結するユーザーが増加』



 フェイスブック、LINE、2ちゃんねる、インスタグラム・・・。
 この本に書いてある要素ごとに整理すると、既存のネットコミュニティの戦略と独自性がうまく整理できそうです。
 p69の引用
『ネットコミュニケーションの5要素
  →匿名性(個人情報を隠せる)
  →反応性(書き込みに対するリアクションの速さ)
  →平等性(利用者は平等)
  →正確性(集合知により誤った情報は排除、修正)
  →感情性(本音が出やすい)』



 ネットコミュニティを作る際に重要なこと。
 それは、ユーザーへの思いやり。
 ユーザーの気持ちに応えられるように、よりよいコミュニティを作る心掛け。
 p76の引用
『本命の利用者になってもらうために
  →熱心なファンを作るのに必要なのは、「情報」と「反応」
  →運営者側は、激しい情熱と愛情を持ってユーザーに接すること』





 以上、「『ネットコミュニティの設計と力』読書メモ(その1)」でした。


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『フェイスブック 若き天才の野望』読書メモ(その4)


 今回は「『フェイスブック 若き天才の野望』読書メモ(その4)」です。
 
 最近、コミュニティを作るスタートアップについて調べる機会がありました。
 その中で、フェイスブックに関連する本が面白かったので読書メモとして残します。


◆『フェイスブック 若き天才の野望』デビッド・カークパトリック著(日経BP社)

・概要(本書の解説p502より)
 →本書の魅力は、2種類の要素が高次に組み合わさっている点
 →ひとつめは急激な成長を遂げつつあり、全米のみならず全世界が注目すべき新興企業の生い立ちとその成長に関する内幕を追った筆致。
 →ふたつめは、ソーシャルネットワーク、ひいては過去・現在、そしてこれからのインターネットの在り方について示唆に富んでいる点
 ※詳細は、日経BP社のウェブサイト参照
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P48370.html
 ※フェイスブックのCEO(最高経営責任者)マーク・ザッカーバーグさんについては、下記のリンクをご参照ください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0



・参考になった点、面白かった点と引用
 以下では、フェイスブックの今後について紹介する。

 ミニマリストのプログラマーらしい一言。
→page406の引用
『ザッカーバーグは自らの国際戦略の概要を話した。
「人々ができるだけ簡単に情報を共有できる、最もシンプルで最高の製品を作ることだけです」』


 ピーター・ティールは、起業家であり、投資家であり、2018年2月現在facebookの取締役でもある。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB
 ネット社会における国際化について言及。
 国際化するうえで、重要になってくる価値観は、寛容さ、現実の人間を中心、オープン。
 フェイスブックが国際的なサービスを作る上で指針となるキーワードたち。
→page409の引用
『彼(ピーター・ティール)はこう説明する。
「国際化時代の人たちは互いに接近の度合いが高まっていくだろう。私の考える重要な価値とは寛容さを広げることだ。フェイスブックモデルで私が好きなのは、現実の人間を中心に据えていることと、自分が置かれている環境だけではなくそのほかの環境でも友達関係を築けることだ。国際化とは、必ずしも世界中のだれとでも友達だという意味ではない。しかし、以前と比べてずっと多くの背景を持つ人たちに対して自分をオープンにできるという意味は大きい」』


 贈与経済。
 信頼の連鎖により成り立ち、ただ乗りを許さない経済。
 近い未来に本当に生まれるのか?
 贈与の形や、どうやって贈与の連鎖が生まれるか、まだちょっと思い描けない。
 まだまだ、貨幣経済のイメージから抜け出せない。
→page420の引用
『ザッカーバーグは、今やフェイスブックやインターネット上の他の勢力は、贈与経済が大規模で機能していくのに十分な透明性を生み出していると言う。
「もっとオープンになって誰もがすぐに自分の意見を言えるようになれば、経済はもっと贈与経済のように機能し始めるだろう。贈与経済は、企業や団体に対してもっと善良にもっと信頼されるようになれ、という責任を押し付ける」』


 ソーシャル化により組織がどう変わるか?
 ザッカーバーグが思い描くように、仕事とプライベートが融合し、友だち同士のつながりが全ての活動の基礎になるか?
 それが組織の形に影響を与えるか?
 もし、組織が変わらなければ、その組織は生き残れるのか?
 2004年にフェイスブックのサービスが生まれてから14年。
 少なくとも日本では、フェイスブックの考え方がビジネスの現場に深く浸透する兆候はない。
 でも、なんとなく、劇的にではないけど、徐々に組織にも変化は起きるような気がする。
 今までの内側に閉じた組織から、外側に開かれた組織へと。
 今まで通りの製品やサービスの開発方法では、世界に通用しなくなっている、と企業も感じ始めていると思うから。
→page433の引用
『近代経営における偉大な理論家であるゲーリー・ハメルは、変化を不可避ととらえている。
「現在ウェブで起きているソーシャル化という変容は、われわれの大小さまざまな組織に対する考え方を根底から変えるだろう」』



 ザッカーバーグがCEOであり続ける限り、フェイスブックは誠実で、ユーザーといい関係でいられると思う。
 でも、もしフェイスブックから誠実さが失われたら、あっという間にその関係は瓦解すると思う。
→page449の引用
『従来の利用規約を置き換える「権利と責任に関する声明」のユーザー投票が終わった後のザッカーバーグの言葉。
「何か論議を呼ぶことをしてしまった時、それが意味するのはぼくたちにはユーザーに説明する義務があるということだ。そうなったら、ユーザーとは明確にコミュニケーションを取る必要がある。そうやって、ぼくたちは誠実であり続けらると思う」』


 ユーザー情報の制御について、間接的に「フェイスブックは自社が集中制御しない」と語っている。
 また、「ユーザーが自ら制御できるようにするべき」とも語っている。
 このユーザー重視の姿勢が維持されるなら、サービスを使い続けてもいいかなと思う。
 正直、自分の知らないところで、自分の個人情報がどこかに勝手に出回っているなんて、想像したくもない。
→page473の引用
『誰がユーザーの情報を制御するかについて、ザッカーバーグが語ったこと。
「多くのものがどんどんオープンになっていく一方で、全員に対してはオープンでないものがたくさんある」
「これは今後10年、20年で最も重要な問題のひとつだ。世界がますます情報を共有する方向に進む時、それが確実にボトムアップで行われる、つまり人々が自分たちで情報を入力して、その情報がシステムでどう扱われるかを自ら制御できるようにする必要がある。どこかの監視システムに追跡される集中制御方式ではなく。これは世界のために決定的に重要なことだと私は思っている」』


 フェイスブックがユーザーを「いろんな価値観を持ち、感情を持った人間」として接し、ユーザーにとって本当にいいと思うサービスを提供してくれるなら使い続けたい。
 もしそうじゃなかったら・・・結論は自明かな。
→page474の引用
『ピーター・ティールは言う。
「完全なグローバル化に関して私が最重要だと思っていることの中に、ある意味で人類はテクノロジーを支配するものであり、その逆ではないということがある。会社の価値は、経済的、政治的、文化的--何の価値であれ--一番大切なのは人であると』


 


 以上、「『フェイスブック 若き天才の野望』読書メモ(その4)」でした。


テーマ:読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

『フェイスブック 若き天才の野望』読書メモ(その3)


 今回は「『フェイスブック 若き天才の野望』読書メモ(その3)」です。
 
 最近、コミュニティを作るスタートアップについて調べる機会がありました。
 その中で、フェイスブックに関連する本が面白かったので読書メモとして残します。



◆『フェイスブック 若き天才の野望』デビッド・カークパトリック著(日経BP社)

・概要(本書の解説p502より)
 →本書の魅力は、2種類の要素が高次に組み合わさっている点
 →ひとつめは急激な成長を遂げつつあり、全米のみならず全世界が注目すべき新興企業の生い立ちとその成長に関する内幕を追った筆致。
 →ふたつめは、ソーシャルネットワーク、ひいては過去・現在、そしてこれからのインターネットの在り方について示唆に富んでいる点
 ※詳細は、日経BP社のウェブサイト参照
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P48370.html
 ※フェイスブックのCEO(最高経営責任者)マーク・ザッカーバーグさんについては、下記のリンクをご参照ください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0



・参考になった点、面白かった点と引用
 以下では、フェイスブックの現状認識について紹介する。


 仕事とプライベートを分けないことについて。
 人間は一人で、場面に応じて使い分けるべきではない。
 ネット社会がそれを許さない。
 それがザッカーバーグの信念。
→page289の引用
『「アイデンティティーは一つだけ」
ザッカーバーグが2009年に行ったインタビューで一分間にこれを3回強調した。フェイスブックを始めた頃、大人のユーザーには仕事用のプロフィールと「楽しめるソーシャル用プロフィール」の両方を用意するべきだという声が上がった。ザッカーバーグは常に反対した。
「仕事上の友だちや同僚と、それ以外の知り合いとで異なるイメージを見せる時代は、もうすぐ終わる」
「2種類のアイデンティティーを持つことは、不誠実さの見本だ」
「現代社会の透明性は、一人が二つのアイデンティティーを持つことを許さない」』


 社内でもザッカーバーグの信念が浸透していることの現れ。
→page306の引用
『シェリル・サンドバーグさえ、いかにも誇らしげにこう言う。
「本当の自分にならない限りフェイスブックにはいられない」
フェイスブックの透明性急進派のメンバーたちは、ザッカーバーグを含め、可視性を高くすればするほど良い人間になれる、と信じていた。』


 フェイスブックは、プラットフォーム戦略を取った。
 その結果、例え内部の広告部門と競合しようとも、外部デベロッパーを公平に扱った。
→page321の引用
『外部デベロッパーにも同じようにプロフィールページにボックスを置き、フェイスブック内に本格的なページを作れるようにした。
(中略)
フェイスブックは外部デベロッパーにできないことを一切できてはならない、という原則にたどり着いた。』


 ユーザーデータについては、常にリスクが付きまとう。
 広告ビジネスにおいては強みとなる一方で、不適切に取り扱えば損害賠償などの訴訟を起こされる。
 まさに諸刃の剣。
→page341の引用
『自らのネットワークを、どこのデベロッパーが何を作ってもよいプラットフォームに変えることで、フェイスブックは多くの新しい可能性を生み出したが、同時に新たなリスクも一式背負うことになった。その有用性と娯楽価値の一方で、フェイスブック上のアプリケーションは、ユーザーデータの扱い方がしばしば傲慢だった。』


 フェイスブックの広告戦略について。
 ユーザーの実名、行動、友だちとのつながりを利用した、きめ細かい広告。
 これこそがフェイスブック最大の強み。
 グーグルなど、他の企業が手に入れられない情報を元に、継続的に広告収入を得続ける。
 このビジネスモデルに付け入る隙はあるのだろうか・・・。  
→page361の引用
『フェイスブックが新しいタイプのセルフサービス広告をスタートさせたときのザッカーバーグの言葉
「メディアは変わります。ここまでの100年間を規定してきたのはマスメディアでした。これからの100年間、情報はただ人々に押し付けられるものではなくなります。人々の持つ何百万というつながりの中で共有されるのです・・・。信頼できる友だちから勧められることほど、人に影響を与えるものはありません。信頼できる紹介者は、広告の至高の目標なのです。」』


 これもフェイスブックの広告戦略の特長についての言及。
→page379の引用
『グーグルのアドワーズ検索広告は「要求を満たす」。対照的に、フェイスブックは要求を生み出す。』


 企業の製品やサービスの開発について。
 フェイスブック上で、製品やサービスを開発することは可能か?
 先進的な顧客(アーリーアダプター)は集まるか?
 どこまで開発プロセスをオープンにできるか?
 色々知りたいことはあるけど、実現したらどんなことが起こるか見てみたい。
→page388の引用
『フェイスブックでの人と企業の関係は今後も急速に発展していくだろう。そこで何か驚くべき成果が生まれる可能性は十分にある。製品のコンセプト作りからデザイン、製造に至るまでの工程で消費者の協力を仰ぐことによって、企業はコストを削減し、人々の求める製品を作り、顧客ロイヤルティーを生み出すことが可能になる、そんな証拠が増えている。フェイスブックを巨大な協業ネットワークとみることができる。イノベーションに最適なプラットフォームである。』


 ネットワーク効果について。
 ある段階になると、市場は一人勝ちになる。
 そこまで残れば、あとはやりたい放題。
 そう思って傲慢になったとき、手痛いしっぺ返しが待っている。
 フェイスブックは一人勝ち状態が続いても、ずっとユーザーに対して誠実でいられるか?
 3~5年後のフェイスブックがどう変わっているか、もしくは変わっていないか楽しみ。 
→page405の引用
『ザッカーバーグはかなり以前から、ほとんどのユーザーが時間を費やしてまで複数のソーシャルネットワークで複数のプロフィールを作ったりしないことに気付いていた。さらに彼は、ハーバードとパロアルトでの延々と続く雑談で「ネットワーク効果」の知識を得ていた。ひとたび、一つのコミュニケーションプラットフォームへの集約が始まると、加速がついて勝者による市場総取りが起きる。』



 


 以上、「『フェイスブック 若き天才の野望』読書メモ(その3)」でした。


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