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『フェイスブック 若き天才の野望』読書メモ(その3)


 今回は「『フェイスブック 若き天才の野望』読書メモ(その3)」です。
 
 最近、コミュニティを作るスタートアップについて調べる機会がありました。
 その中で、フェイスブックに関連する本が面白かったので読書メモとして残します。



◆『フェイスブック 若き天才の野望』デビッド・カークパトリック著(日経BP社)

・概要(本書の解説p502より)
 →本書の魅力は、2種類の要素が高次に組み合わさっている点
 →ひとつめは急激な成長を遂げつつあり、全米のみならず全世界が注目すべき新興企業の生い立ちとその成長に関する内幕を追った筆致。
 →ふたつめは、ソーシャルネットワーク、ひいては過去・現在、そしてこれからのインターネットの在り方について示唆に富んでいる点
 ※詳細は、日経BP社のウェブサイト参照
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P48370.html
 ※フェイスブックのCEO(最高経営責任者)マーク・ザッカーバーグさんについては、下記のリンクをご参照ください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0



・参考になった点、面白かった点と引用
 以下では、フェイスブックの現状認識について紹介する。


 仕事とプライベートを分けないことについて。
 人間は一人で、場面に応じて使い分けるべきではない。
 ネット社会がそれを許さない。
 それがザッカーバーグの信念。
→page289の引用
『「アイデンティティーは一つだけ」
ザッカーバーグが2009年に行ったインタビューで一分間にこれを3回強調した。フェイスブックを始めた頃、大人のユーザーには仕事用のプロフィールと「楽しめるソーシャル用プロフィール」の両方を用意するべきだという声が上がった。ザッカーバーグは常に反対した。
「仕事上の友だちや同僚と、それ以外の知り合いとで異なるイメージを見せる時代は、もうすぐ終わる」
「2種類のアイデンティティーを持つことは、不誠実さの見本だ」
「現代社会の透明性は、一人が二つのアイデンティティーを持つことを許さない」』


 社内でもザッカーバーグの信念が浸透していることの現れ。
→page306の引用
『シェリル・サンドバーグさえ、いかにも誇らしげにこう言う。
「本当の自分にならない限りフェイスブックにはいられない」
フェイスブックの透明性急進派のメンバーたちは、ザッカーバーグを含め、可視性を高くすればするほど良い人間になれる、と信じていた。』


 フェイスブックは、プラットフォーム戦略を取った。
 その結果、例え内部の広告部門と競合しようとも、外部デベロッパーを公平に扱った。
→page321の引用
『外部デベロッパーにも同じようにプロフィールページにボックスを置き、フェイスブック内に本格的なページを作れるようにした。
(中略)
フェイスブックは外部デベロッパーにできないことを一切できてはならない、という原則にたどり着いた。』


 ユーザーデータについては、常にリスクが付きまとう。
 広告ビジネスにおいては強みとなる一方で、不適切に取り扱えば損害賠償などの訴訟を起こされる。
 まさに諸刃の剣。
→page341の引用
『自らのネットワークを、どこのデベロッパーが何を作ってもよいプラットフォームに変えることで、フェイスブックは多くの新しい可能性を生み出したが、同時に新たなリスクも一式背負うことになった。その有用性と娯楽価値の一方で、フェイスブック上のアプリケーションは、ユーザーデータの扱い方がしばしば傲慢だった。』


 フェイスブックの広告戦略について。
 ユーザーの実名、行動、友だちとのつながりを利用した、きめ細かい広告。
 これこそがフェイスブック最大の強み。
 グーグルなど、他の企業が手に入れられない情報を元に、継続的に広告収入を得続ける。
 このビジネスモデルに付け入る隙はあるのだろうか・・・。  
→page361の引用
『フェイスブックが新しいタイプのセルフサービス広告をスタートさせたときのザッカーバーグの言葉
「メディアは変わります。ここまでの100年間を規定してきたのはマスメディアでした。これからの100年間、情報はただ人々に押し付けられるものではなくなります。人々の持つ何百万というつながりの中で共有されるのです・・・。信頼できる友だちから勧められることほど、人に影響を与えるものはありません。信頼できる紹介者は、広告の至高の目標なのです。」』


 これもフェイスブックの広告戦略の特長についての言及。
→page379の引用
『グーグルのアドワーズ検索広告は「要求を満たす」。対照的に、フェイスブックは要求を生み出す。』


 企業の製品やサービスの開発について。
 フェイスブック上で、製品やサービスを開発することは可能か?
 先進的な顧客(アーリーアダプター)は集まるか?
 どこまで開発プロセスをオープンにできるか?
 色々知りたいことはあるけど、実現したらどんなことが起こるか見てみたい。
→page388の引用
『フェイスブックでの人と企業の関係は今後も急速に発展していくだろう。そこで何か驚くべき成果が生まれる可能性は十分にある。製品のコンセプト作りからデザイン、製造に至るまでの工程で消費者の協力を仰ぐことによって、企業はコストを削減し、人々の求める製品を作り、顧客ロイヤルティーを生み出すことが可能になる、そんな証拠が増えている。フェイスブックを巨大な協業ネットワークとみることができる。イノベーションに最適なプラットフォームである。』


 ネットワーク効果について。
 ある段階になると、市場は一人勝ちになる。
 そこまで残れば、あとはやりたい放題。
 そう思って傲慢になったとき、手痛いしっぺ返しが待っている。
 フェイスブックは一人勝ち状態が続いても、ずっとユーザーに対して誠実でいられるか?
 3~5年後のフェイスブックがどう変わっているか、もしくは変わっていないか楽しみ。 
→page405の引用
『ザッカーバーグはかなり以前から、ほとんどのユーザーが時間を費やしてまで複数のソーシャルネットワークで複数のプロフィールを作ったりしないことに気付いていた。さらに彼は、ハーバードとパロアルトでの延々と続く雑談で「ネットワーク効果」の知識を得ていた。ひとたび、一つのコミュニケーションプラットフォームへの集約が始まると、加速がついて勝者による市場総取りが起きる。』



 


 以上、「『フェイスブック 若き天才の野望』読書メモ(その3)」でした。


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